ダイエット中につい美味しいものを食べてしまう理由は『モラルライセンシング』のせい!?
皆さん、ダイエットしてますか?あるいはダイエットしたことありますか?
僕はあります。
そのダイエット期間中に美味しいものをつまみ食いしたりしてしまったことが多々あります。
ダイエット中やダイエット経験者の中には、そういう経験をしたことがある人がいらっしゃると思います。
なぜ人はダイエット中なのに、つい美味しいものを食べてしまうのか?
その理由のひとつは『モラルライセンシング』と言われています。
モラルライセンシングって何?
モラル・ライセンシングとは、良いことをすると、悪いことをしたくなる心理のことです。
例えば、勉強を頑張ってした後、「これだけ勉強したんだから少しぐらい遊んでもいいよね」と思って、ゲームを始める若者がいます。気がつくと3時間くらいゲームに没頭してしまった。
そういう経験をしたことのある若者は世の中にたくさんいます。ゲームをスマホに置き換えたり、友達と長話をしてしまったに置き換えたりすれば、さらにその人数は増えます。
なぜ彼らは勉強をした後、ゲームやスマホや談笑に夢中になってしまったのか?
モラル・ライセンシングが働いたからです。良いことをしたのだから悪いことをしてもいいよねという心理が働いたから、ゲームやスマホや談笑に夢中になってしまったんです。
ダイエット中につい食べてしまうのも、ダイエットという良いことを頑張ったのだから少しぐらい美味しいものを食べるという悪いこと(ダイエットにとって悪いこと)をしてもいいよねという心理が働いたから、美味しいを食べてしまうんです。
この心理は誰の中にも生じます。聖職者の中にも生じます。
△カトリック教会の性的虐待スキャンダル△
ローマ法王フランシスコは先に、男性聖職者による修道女の性的暴行について、フランスでは「性奴隷」扱いしていたケースもあると認めたばかり。
教会関係者による性的虐待のニュースは世界中で明らかになった。教会は聖職者による犯罪を隠ぺいし、自らの倫理的権威をぼろぼろにしたと糾弾されている。
報告書によると、「教会内の記録から1000人以上の未成年の被害者」のほか、「300人以上の神父による確実性の高い疑惑」が特定できたという。
引用:bbc.com/
敬虔なキリスト教信者が惹き起こした性犯罪。
この事件を惹き起こした信者の中でも、モラル・ライセンシングは働いていたでしょう。
『自分は敬虔なクリスチャンとして神に一生懸命尽くしてきた。良いことをたくさんしてきた。だから少しくらい悪いことをしてもいいよね』という心理がキリスト教信者の中に生じたのです。
結果、上記のような性犯罪を惹き起こしてしまったのです。
良いことをすればするほど、その反動でより悪いことをしたくなってしまう。そういう性質が人の中にはあるんです。
だからこそ、頑張ったあとは適度に遊ぶことが必要なのです。とんでもなく悪いことをしないために。
神戸・東須磨小学校で起きた先生が先生をイジメるという事件。この事件にもモラル・ライセンシングが働いていたとメンタリストのDaiGoさんは語っています。
「先生として頑張って生徒を教えている。だから少しくらい悪いことをしてもいいよね」と加害者側の先生は思ってしまった。その結果、いじめをしてしまった。
とDaiGoさんは語っています。
先生は聖職者と呼ばれるくらい素晴らしい職業です。そういう特殊な職業に就いていると普通の人よりも自分は良いことをしていると思いやすくなります。
このイジメ事件の加害者の先生は、自分は普通の人よりも素晴らしいことを毎日していると思い込んでしまったのだと思います。
その反動で、今回のような悪質なイジメをしてしまったのだと思います。
自分の職業を素晴らしいと思うことは良いことだと思います。でもイジメの加害者の先生のようにその反動で尋常ではないイジメをしてしまうのは許されることではありません。
でもどの先生の中にもモラル・ライセンシングが働く性質があります。
なので、先生は普通の人よりも注意が必要だと思います。
良いことをしたのだから悪いことをしてもいい。そう思うのはモラル・ライセンシングが働く性質があるのだから仕方ないと思います。
でも、だからといってイジメをやるのは言語道断です。もっと他の方法でモラル・ライセンシングによって生じた”悪いことをしたい欲望”を解消してほしいと思います。
なぜモラル・ライセンシングという心理は生じるのか?
人には見返りを求める心理があるからです。
①日給8000円の仕事をしたら、8000円の報酬を求めます。
②一生懸命彼氏に尽くした人は、その努力に匹敵する愛を求めます。
どちらも見返りを求める心理です。
この見返りを求める心理が、モラル・ライセンシングの心理が働く原因なんです。
良いことをするということは、大概の場合、努力を必要とします。
街中に落ちているゴミを拾うという良いことを想像してみてください。他人が捨てたゴミを拾うのは嫌なものです。嫌ということはストレスを感じます。ストレスを感じることをするには努力が必要になります。
このように良いことをするのには、努力が必要なんです。良いことをするときは大概、努力が必要になるんです。
努力をすれば当然見返りがほしくなります。でも良いことをしても大概の場合、見返りなんて貰えない。
だからモラル・ライセンシングという心理が働くんです。悪いことをすることにより、その見返りがほしいという欲望を満足させようとするんです。
モラル・ライセンシングによって悪いことをするのは代償行為なんです。求める見返りを貰えないから悪いことをすることによって見返りを求める欲望を満足させているんです。
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でも大概の場合見返りを貰えない
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だからモラル・ライセンシングが働く
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悪いことをするという代償行為によって欲望を満足させる
以上のようなメカニズムで悪いことをしてしまうんです。
ダイエット中に食べてしまうのも、ダイエットという辛い努力をした見返りを求める心理が働き、でもその欲望を満足させてしまったら太ってしまう、太るのは嫌、だからせめて美味しいものを少し食べようと思って食べてしまうんです。
努力をすれば誰にでも見返りを求める心理が働きます。当然、モラル・ライセンシング心理も誰でも働く可能性があります。
なので自分はそんな心理働かないと思うのではなく、そんな心理も働くと思ったほうが良いです。そのほうが合理的な行動を考えつく可能性が高くなるからです。
「自分は見返りを求める心がある。モラル・ライセンシング心理が働く可能性もある。さて、どうしよう?」と考えたほうが絶対に合理的な行動を考えつく可能性は高まります。
「自分は見返りを求める心がない。だからモラル・ライセンシング心理が働く可能性もない」と考えるのは自分に嘘をついているようなものです。そんな自分に嘘をつくような人が合理的な行動を考えつく可能性は低いと思います。嘘の上に構築した思考は嘘に嘘を重ねるようなものだからです。
自分に嘘を付かず、冷静に自分を把握できる人のほうが合理的な行動を考えつく可能性は極めて高い。
僕はそう思います。
自分を冷静に見る力を養いましょう。そうすればモラル・ライセンシングによって生じた”悪いことをしたい衝動”をコントロールしやすくなると思います。